操縦に革新をもたらし、小型機のスタンダードを作りました。

エアバスA320は、欧州の航空機メーカーであるエアバス社が開発した、短・中距離向けのナローボディ(単通路)旅客機であり、世界で最も成功した商業用航空機ファミリーの一つです。1988年に初飛行して以来、2026年現在に至るまで30年以上にわたって生産され続けており、航空業界に数々の革命をもたらした「エアバス哲学」を体現する象徴的な存在です。

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日本就航機体数 · 小型機

技術的な最大の特徴は、旅客機として世界で初めて本格的な「フライ・バイ・ワイヤ(Fly-by-Wire)」操縦系統を導入した点にあります。これは、従来の機械的なケーブルや油圧による操縦ではなく、コンピューターを介して電気信号で動翼を操作するシステムで、これにより飛行制御の精度が飛躍的に向上し、安全性の確保とパイロットの負担軽減を同時に実現しました。また、コックピットには操縦桿の代わりに「サイドスティック」が採用され、大型の液晶ディスプレイを備えたグラスコックピットとともに、現代の航空機コックピットの標準形を作り上げました。

機体設計においても、画期的な「ダブル・バブル」と呼ばれる胴体断面を採用することで、競合機であるボーイング737シリーズよりも広いキャビン幅を実現しました。これにより、標準的な「3-3」の座席配置でも、乗客の肩回りに十分なゆとりが生まれ、快適性が高まっています。また、貨物室のドアが大きいため、ワイドボディ機で使用される大型コンテナ(LD3)を小型の「LD3-45」に限り搭載できるなど、運航効率を高める工夫も凝らされています。 エンジンは、CFMインターナショナル社製のCFM56シリーズまたは国際航空エンジン社製(IAE)のV2500シリーズから選択可能で、航空会社のニーズに応じた柔軟な運用を可能にしています。標準的な座席配置では150席から180席を確保でき、その汎用性の高さからフルサービスキャリア、格安航空会社(LCC)を問わず、世界中のあらゆる航空会社に採用されました。