高い静粛性と快適性を備えた、ブラジル生まれの傑作です。

エンブラエル170は、ブラジルのエンブラエル社が21世紀のリージョナル航空市場を席巻するために開発した「E-Jet」シリーズの第1弾であり、70〜80席クラスのリージョナルジェット機における世界的なベンチマークとなった機体です。2026年現在、製造は後継のE2シリーズへ移行しつつありますが、その完成された設計と高い経済性から、日本を含む世界中の地域路線で「最も信頼される小型ジェット機」として第一線で活躍し続けています。

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日本就航機体数 · 超小型機

技術的な最大の特徴は、従来のリージョナルジェット(CRJシリーズなど)がビジネスジェットをベースに開発されたのに対し、E170は最初から「旅客機」としてゼロから設計された点にあります。胴体断面を「ダブル・バブル(2つの円を重ねた形)」構造にすることで、同クラスの他機種よりも広い客室幅と高い天井高を実現しました。これにより、標準的な「2-2」の座席配置においても、乗客の肩回りの空間にゆとりが生まれ、通路も広く確保されています。操縦系統には、このクラスでは画期的なフル・フライ・バイ・ワイヤを導入し、コックピットには大型液晶ディスプレイを5枚配置したグラスコックピットを採用。これにより、大型旅客機と同等の高い安全性と精密な運航管理を可能にしました。

エンジンには、信頼性の高いゼネラル・エレクトリック社製「CF34-8E」を主翼下に懸垂する形で搭載しています。この配置により、リアエンジン方式の機体に比べて整備が容易になり、空港でのターンオーバー時間を短縮できるという運航上のメリットをもたらしました。また、最高巡航速度マッハ0.82を誇る高速性能は、プロペラ機では困難だった長距離の地方間路線の開設を可能にし、航空会社のネットワーク拡大に大きく寄与しました。