旅客から貨物まで、幅広い任務をこなす力持ちです。
ボーイング777-200LRは、ボーイング社が「Worldliner(ワールドライナー)」という愛称で開発した、世界最長の航続距離を誇る超長距離用双発ワイドボディ機です。2006年に就航したこの機体は、地球上のほぼ全ての2都市間をノンストップで結ぶことを目的に設計されました。2026年現在、最新のB777Xシリーズへと技術のバトンを渡しつつも、その卓越した性能から、依然として特定の長距離路線や貨物輸送の分野で極めて重要な役割を担い続けています。
技術面における最大の驚威は、約15,843km(8,555海里)という圧倒的な航続性能にあります。これを実現するため、機体後部の貨物スペースに追加の燃料タンクを最大3つ搭載することが可能となっており、さらに主翼の端には「レイクド・ウィングチップ」と呼ばれる、燃費効率を高めるための傾斜した翼端板が装備されています。エンジンには、世界最強の推力を誇る巨大なGE90-110B1または-115Bを2基搭載し、最大離陸重量約347トンという巨体を長時間、安定して飛行させるパワーを供給します。2005年には、香港からロンドンまで東回りで飛行する「世界最長距離直行飛行(約21,601km)」のギネス世界記録を樹立し、双発機の限界を大きく塗り替えました。
客室構成においては、標準的な3クラス構成で約317席を配置でき、超長距離フライトを前提としているため、乗員用の休息スペース(クルーレスト)が機体上部に完備されています。これにより、最大18時間を超えるような過酷な長時間運航においても、パイロットや客室乗務員が交代で休息を取りながら安全に運航を継続できる体制が整えられています。また、B777シリーズ共通のゆとりあるキャビン幅は、乗客にとっても長時間の拘束ストレスを軽減する大きな利点となっています。