キャパシティを拡大し、中距離路線の主役となっています。
エアバスA321は、エアバス社のベストセラー機「A320ファミリー」の中で最も長い胴体を持つモデルであり、単通路機(ナローボディ機)の経済性と、中型機に近い輸送力を高い次元で融合させた傑作機です。1994年の初就航以来、それまでボーイング757が独占していた「高需要かつ中距離」の市場を席巻し、2026年現在では世界中の主要路線で欠かすことのできない「ナローボディ機の旗艦」として君臨しています。
技術面における最大の特徴は、ベースモデルであるA320の胴体を前後合わせて約7メートル延長し、全長約44.5メートルとしたその設計にあります。これにより、標準的な2クラス構成で約185席、高密度なLCC仕様では最大236席まで確保できる高い収容力を実現しました。胴体の延長に伴い、離着陸時の機体後部の接触を防ぐためのシステム強化や、主翼フラップの改良(ダブル・スロッテッド・フラップの採用)など、大型化に合わせた高度な航空力学的最適化が施されています。エンジンはCFMインターナショナル社製「CFM56」またはIAE(インターナショナル・エアロ・エンジンズ)製「V2500」を搭載し、巨体を効率よく、かつ静粛に飛行させるパワーを供給します。
A321の成功を支えたのは、A320ファミリー共通の「操縦共通性(コモン・タイプ・レーティング)」です。フライ・バイ・ワイヤ技術とサイドスティックを採用したコックピットは、A318からA321まで完全に共通化されており、航空会社は同一のパイロットで異なるサイズの機体を柔軟に運用できるため、訓練コストや運航コストの劇的な削減を可能にしました。また、ナローボディ機としては最大級のキャビン幅を活かし、18インチ幅のゆとりある座席配置や、最新のLEDムードライティングなど、大型機に劣らない快適な機内環境を提供しています。